2011/05/23

【時々の途中経過】茨城県北といわき市の放射線量率と累積値[5/10 PM更新]
Radiation dose rate and accumulated value at north part of Ibaraki Pref and Iwaki City

この記事は2011/5/10時点の「茨城県北といわき市の放射線量」のコピーである。

最新版は

茨城県北といわき市の放射線量率と累積値

カテゴリー:福島第一原発トラブル
タイトル:茨城県北(北茨城、高萩、日立市)と福島県いわき市の放射線量率と累積値
概要:2011/05/10 18:00のデータに更新。

各地(注1)ともほぼ推定値どおり漸減している。
今後ともデータをウォッチ要

注1:4月19日から高萩の測定点が変わったため、現在値および減少カーブも異なっている。5月の中ごろ、再度、将来の推定を行う予定。

関連情報

日立市大沼町の放射線量率スナップショット
Radiation dose rate snapshot at OnumaCho Hitachi-city Ibaraki


つくば(KEK)の空間線量率スナップショット
Radiation dose rate snapshot at Tsukuba (KEK) Ibaraki


参考記事 
各地の放射線モニタ関連情報
全国の放射線量他のデータ、グラフ
福島原発の放射能に関する専門家の意見 

過去の記事
過去の記事は時々、【時々の途中経過】に保管しています。

管理人:mountain_hill
ツイッター: @mountain_hill http://twitter.com/mountain_hill
メール:mountain_hill@k567.org

1 データのグラフ

1.1 カレント値 (current value)
(1) 測定値
5/10 日現在、以下の通りであり、各地(*2)ともほぼ推定値どおり漸減している。
現在値は従来の自然放射線(*1)の4~5倍程度である。

いわき(合同庁舎): 0.24µSv/h (5/10 日18:00時現在)
北茨城(市役所): 0.20µSv/h (5/10 日12:00時現在)
高萩(総合福祉センター)(*2): 0.12µSv/h (5/10 日12:00時現在)
日立(大沼町): 0.19µSv/h (5/9 日0:00時現在)

(*1) 従来の自然放射線量は場所により異なるがほぼ 0.05µSv/h程度である。
(*2) 4/19 18:10 から高萩の測定点が変更された(小山ダム --> 高萩市総合福祉センター)。
4/20の記事で、高萩の突然の落ち込みが謎であったが、茨城県のデータに高萩の測定点を変更した旨の注意書きがあった。

以前から、高萩のデータの振る舞いが他と異なっており、それはダムという特異性かも知れないとの指摘があった。何故変更したのかは未確認である。
Fig 1 現在値(2011/3/14 - 3/31)


Fig 2 現在値(2011/4/1 ~)
(2) 推定値
単純モデル(*1)と放射線量変化モデル(*2)による、各地の今後の線量の推定した。

単純モデルでの推定は4月2日までの測定データをもとに実施した。
放射線量変化モデルでの推定は4月12日までの測定データをもとに実施した。

この結果、放射線量変化モデルによると、カレント線量は5月いっぱい程度で下げ止まる。その値は以下の通り、0.1~0.2µSv/h程度で従来の自然放射線量の2~4倍程度になる見込み。

[5月末頃の線量推定値]
いわき(合同庁舎):0.22µSv/h
北茨城(市役所) 0.21µSv/h
高萩(小山ダム)(注1) 0.11µSv/h
日立(大沼町) 0.21µSv/h

以下はこの推定値と測定値を重ねてプロットしたグラフである。
現在のところ、高萩以外の測定値と推定値は結構合致している。

高萩のデータは測定点が変更されたためであり、5月の中ごろ、再度推定をやり直す予定。

他の個所に関しても、これらのデータがずれた場合は、その原因を考察しながら、適宜、推定を繰り返すことにする。
Fig 3 いわきの測定値と推定値(直近)

 Fig 4 いわきの測定値と推定値(~6月中旬)

 Fig 5 北茨城の測定値と推定値(直近)

 Fig 6 北茨城測定値と推定値(~6月中旬)

Fig 7 高萩測定値と推定値
4/19 18:10 から高萩の測定点が変更された(小山ダム --> 高萩市総合福祉センター)。
前回(4/20)の記事で、高萩の突然の落ち込みが謎であったが、茨城県のデータに高萩の測定点を変更した旨の注意書きがあった。
その後の減り方が違っており、今後の累積値が以前の推定よりも増加すると思われる。 1.2.2 推定値の累積を参照。
Fig 8 高萩測定値と推定値(~6月中旬)


Fig 9 日立の測定値と推定値(直近)

 Fig 10 日立測定値と推定値(~6月中旬)

 (*1) 線量推移が指数関数+定数に従うと仮定した単純モデル


線量近似値 = (初期値 - 自然線量率) x EXP(初期値からの時間 * ln2 /T) + B

T: 複数の核種の半減期を十把一絡げにした「みかけの半減期」である。
B: ここ数年の、線量の落ち着き先であり、半減期が長い放射性物質の寄与やどこかからやってくる(放出されている)放射性物質および従来の自然線量の総和の「みかけの自然線量」である。

ここでは、下記の2ケースを計算してみた。
[ケース1] 見かけの半減期をヨウ素131のそれ、みかけの自然線量を従来のそれとした場合
[ケース2] 半減期 と自然線量を変化させ、3月21日以降の実測カーブとフィットさせた場合
ケース2は初期値と見かけの半減期を、カーブのへこみ具合が一致するように短めに選んで固定し、実測値と近似値のグラフがフィットするように見かけの自然線量を動かすことにより、大き目の「みかけの自然線量」を予測しようとしたものである。
これを、近い将来に延長してプロットすることにより、今後の線量の上限が想像できる。


(*2) 放射線量変化モデル 
岡山大の北脇先生による考察を参照。
「放射線量変化モデルによる、積算放射線被曝量の推定と放射線源の推定」
http://www.cc.okayama-u.ac.jp/~kitawaki/Radiation_Model_Sim_4.htm

1.2 累積値 (accumulated value)

1.2.1 測定値の累積

3月14日から5月10日まで約40日の累積線量(*3)は以下の通り。

いわき(合同庁舎): 0.85mSv
北茨城(市役所): 0.66mSv
高萩(小山ダム、高萩市総合福祉センター): 0.61mSv
日立(大沼町): 0.38mSv (5/9まで)

注意1: この値は1日24時間屋外屋外で過ごした場合であり、屋内はもっと小さい。
注意2: 4/19 18:10 から高萩の測定点が変更された(小山ダム --> 高萩市総合福祉センター)。
4/20の記事で、高萩の突然の落ち込みが謎であったが、茨城県のデータに高萩の測定点を変更した旨の注意書きがあった。


現在の値は、いわきで胃部レントゲン1.4回程度 、北茨城、高萩で胸部レントゲン12回、日立市大沼町で胸部レントゲン8回程度である。

また、玉川温泉岩盤浴と比較すると、高レベル地域と低レベル地域の中間程度の量である。(一日中ずっと岩盤浴をしている人もいないと思うので、この比較もナンセンスといえばそうであるが、一つの目安である)

(*3) 累積値 = ∑{(カレント値 - 自然放射線量)} x サンプリング間隔
ただし、自然放射線量は 0.05 µSvと仮定

 Fig 11 測定値の累積値

1.2.2 推定値の累積

放射線量変化モデルの推定値から今後の累積線量を予測してみた。
それによると、以下の通りであり、そんなに気にしなくていい値になりそうである。
ただし、以下の2点に注意のこと。
注意1:これはあくまでもある前提に基づく理論的な予想であり、今後このとおりになるという保証はない。従って、今後とも測定データのウォッチは必要である。
しかしながら、カレント値の予測と測定値はよく一致しており期待をしている。
注意2:この値は1日24時間屋外屋外で過ごした場合であり、屋内はもっと小さい。

半年後の推定累積値(2011/03/14 - 2011/9/15)
いわき(合同庁舎): 1.4mSv
北茨城(市役所): 1.2mSv
高萩(小山ダム): 0.8mSv
日立(大沼町): 0.9mSv

1年後の推定累積値(2011/03/14 - 2012/3/15)
いわき(合同庁舎): 2.2mSv
北茨城(市役所): 1.9mSv
高萩(小山ダム): 1.1mSv
日立(大沼町): 1.6mSv


Fig 12 測定値と推定値の累積値

尚、これらの推定累積値では高萩の値が低くなっているが、これは測定点の特異性によるものかもしれない。 今まで、高萩の測定点は小山ダムにあり、他の地域と振る舞いが異なっていた(カーブの下がり方が速い、すなわち、半減期が短めに見えていた)。

しかし、4/19 18:10 から高萩市総合福祉センターに変わり、減り方が他の地区と同じようになった感じがする。5月中ごろ、再度推定をやり直す予定。

1.3 出典データ

■北茨城、高萩のデータ
茨城県ホーム > 重要事項 > 平成23年東北地方太平洋沖地震
http://www.pref.ibaraki.jp/important/20110311eq/index.html

■日立市大沼町のデータ
茨城県環境放射線監視センター
http://www.houshasen-pref-ibaraki.jp/present/result01.html
http://www.houshasen-pref-ibaraki.jp/earthquake/doserate.html

■いわきのデータ
いわき市内の環境放射能測定値
http://www.city.iwaki.fukushima.jp/
http://www.city.iwaki.fukushima.jp/topics/010570.html

福島県災害対策本部
平成23年東北地方太平洋沖地震による被害状況速報
http://www.pref.fukushima.jp/j/index.htm



2 解説

この情報は茨城県北(北茨城、高萩、日立市)と福島県いわき市のデータをグラフ化したものであり、「1.3 出典データ」に示すデータを元に作成した。
これらのデータをスプレッドシートにまとめたものは「radmonitor311 放射線量モニターデータまとめページ」 から入手できる。
https://sites.google.com/site/radmonitor311/home
https://sites.google.com/site/radmonitor311/dirtop/shared_data
https://spreadsheets0.google.com/ccc?key=tMqgTZcBvskBshCBbFxxe6A&pli=1&authkey=CJT01f0L#gid=1

尚、それぞれの測定点は以下の通りである。

いわき:合同庁舎
北茨城:市役所
高萩:高萩市総合福祉センター (注1)
日立:大沼町

注意1:4/19 18:10 から高萩の測定点が変更された(小山ダム --> 高萩市総合福祉センター)


来歴
(データ更新による内容の更新については、いちいち来歴は記さない)

2011/3/27 タイトル簡素化と、いわきの3/14~15のデータを追加した。 
和文:「茨城県北と福島県いわき市の放射線量の状況」→「茨城県北といわき市の放射線量」
English: "Radiation Monitor data snapshot at north Ibaraki-pref and Iwaki-city Fukushima-pref " --> "Radiation Monitor data at north part of Ibaraki Pref and Iwaki City "
理由:他の記事との整合化とツイッターでの字数節約


2011/3/28 タイトルをもう少し正確にした。

和文:「茨城県北といわき市の放射線量」→「茨城県北といわき市の放射線量率と累積値」
English: "Radiation Monitor data at north part of Ibaraki Pref and Iwaki City " --> "Radiation dose rate and accumulated value at north part of Ibaraki Pref and Iwaki City"

2011/4/7 茨城県北に日立市大沼町のデータを追加した。

2011/4/15 推定値についてのグラフを充実させ、記事も全面更新した。

2011/05/22

自作のガイガーカウンタによる近隣の測定結果

カテゴリー:福島第一原発トラブル
タイトル:自作のガイガーカウンタによる近隣の測定結果
概要:知人から借用した自作のガイガーカウンタで近隣の放射線量率を測定してみた。

その結果をスプレッドシートにまとめた。そのうち時間が取れたら地図上にマッピングしたいと思う。←測定値のマップを作成しました(2011/5/24 PM 追加)


関連情報
茨城県北といわき市の放射線量率と累積値
日立市大沼町の放射線量率スナップショット
つくば(KEK)の空間線量率スナップショット

参考記事
各地の放射線モニタ関連情報
全国の放射線量他のデータ、グラフ
福島原発の放射能に関する専門家の意見 

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5月13日(金)の夕方から5月21日(土)まで、「j408γ」という高感度のGM管を使用した自作のガイガーカウンタ(GMC-01)@felis_lynxさんから借用することができた。

15日は福島県の安達太良山の山開きだったので、このガイガーカウンタを持参した。
今まで、市町村の線量率データは、徐々にきめ細かく計られるようになったが、山のデータはあまり、公開されていない。

そこで、貴重なデータを測定しながら登山する予定だったが、実際に測定してみると、ばらつきが非常に大きく、原因がなかなか特定できなかった。

結局は、「j408γ」という高感度のGM管はガンマ線専用なのであるが、これはガンマ線にしか応答しないという意味ではないらしい。

実際、強い光が当たると、あたかもガンマ線を捕らえたようにカチカチ、ガガーと放電する。その結果、光が当たると大きな値、当たらないと小さな値となって、ばらつきが増えることが分かった。

→「光の影響実験結果」参照。

結局は屋外で測定したデータは信憑性がなく、再測定したいが時間が無い。そこで、安達太良山での測定値は信用できそうな屋内のデータのみを公開する。


その結果では、ロープウエイ乗り場の屋内やくろがね小屋の部屋では日立市の個人宅の屋内とそれほど変わらないことが分かった。

また、5/21にはガイガーカウンタをアルミホイルで覆って遮光して個人宅の周囲や屋根、近場の学校、公園、海岸などをを測定した。 測定結果はここ!

家の周辺は大沼モニタリングポストより若干低め。ただし、雨樋の排水箇所はホットスポットでした。
(個人宅)雨樋の排水箇所、家の周りの他の場所の2倍ほど。所謂ローカルホットスポット


(学校)

(海岸)

(海岸)

(海岸)

(公園、池)

尚、ここで注意することは、数値の単位はCPM (Count per minute) であり、μSv/hなどではない。

そこで、比較のため、大沼町のモニタリングポストで測定してみたところ、本器とモニタリングポストの表示はほぼ同じような数値だった。

測定データの大沼町モニタリングポスト参照。

ということで、本器の場合、数値が200前後なら、CPM を nGy/h ≒nSv/h と読み替えてもよさそうである。"

写真もアップしようとしたが何故かエラーになった。後でトライしてみる。←できました。

2011/05/10

【時々の途中経過】茨城県北といわき市の放射線量率と累積値[4/28 PM更新]
Radiation dose rate and accumulated value at north part of Ibaraki Pref and Iwaki City

この記事は2011/4/28 PM時点の「茨城県北といわき市の放射線量」のコピーである。

最新版は

茨城県北といわき市の放射線量率と累積値

カテゴリー:福島第一原発トラブル
タイトル:茨城県北(北茨城、高萩、日立市)と福島県いわき市の放射線量率と累積値
概要:2011/04/28 18:00のデータに更新。

各地(注1)ともほぼ推定値どおり漸減している。
今後ともデータをウォッチ要

注1:4月19日から高萩の測定点が変わったため、現在値および減少カーブも異なっている。5月の中ごろ、再度、将来の推定を行う予定。

関連情報

日立市大沼町の放射線量率スナップショット
Radiation dose rate snapshot at OnumaCho Hitachi-city Ibaraki


つくば(KEK)の空間線量率スナップショット
Radiation dose rate snapshot at Tsukuba (KEK) Ibaraki


参考記事 
各地の放射線モニタ関連情報
全国の放射線量他のデータ、グラフ
福島原発の放射能に関する専門家の意見 

過去の記事
過去の記事は時々、【時々の途中経過】に保管しています。

管理人:mountain_hill
ツイッター: @mountain_hill http://twitter.com/mountain_hill
メール:mountain_hill@k567.org

1 データのグラフ

1.1 カレント値 (current value)
(1) 測定値
4/28 日現在、以下の通りであり、各地(*2)ともほぼ推定値どおり漸減している。
現在値は従来の自然放射線(*1)の5~6倍程度である。

いわき(合同庁舎): 0.25µSv/h (4/28 日18:00時現在)
北茨城(市役所): 0.23µSv/h (4/28 日18:00時現在)
高萩(総合福祉センター)(*2): 0.16µSv/h (4/28 日18:00時現在)
日立(大沼町): 0.20µSv/h (4/27 日0:00時現在)

(*1) 従来の自然放射線量は場所により異なるがほぼ 0.05µSv/h程度である。
(*2) 4/19 18:10 から高萩の測定点が変更された(小山ダム --> 高萩市総合福祉センター)。
前回(4/20)の記事で、高萩の突然の落ち込みが謎であったが、茨城県のデータに高萩の測定点を変更した旨の注意書きがあった。

以前から、高萩のデータの振る舞いが他と異なっており、それはダムという特異性かも知れないとの指摘があった。何故変更したのかは未確認である。

Fig 1 現在値(普通目盛り)
Fig 2 現在値(対数目盛り)
(2) 推定値
単純モデル(*1)と放射線量変化モデル(*2)による、各地の今後の線量の推定した。

単純モデルでの推定は4月2日までの測定データをもとに実施した。
放射線量変化モデルでの推定は4月12日までの測定データをもとに実施した。

この結果、放射線量変化モデルによると、カレント線量は5月いっぱい程度で下げ止まる。その値は以下の通り、0.1~0.2µSv/h程度で従来の自然放射線量の2~4倍程度になる見込み。

[5月末頃の線量推定値]
いわき(合同庁舎):0.22µSv/h
北茨城(市役所) 0.21µSv/h
高萩(小山ダム)(注1) 0.11µSv/h
日立(大沼町) 0.21µSv/h

以下はこの推定値と測定値を重ねてプロットしたグラフである。
現在のところ、高萩以外の測定値と推定値は結構合致している。

高萩のデータは測定点が変更されたためであり、5月の中ごろ、再度推定をやり直す予定。

他の個所に関しても、これらのデータがずれた場合は、その原因を考察しながら、適宜、推定を繰り返すことにする。
Fig 3 いわきの測定値と推定値(直近)
Fig 4 いわきの測定値と推定値(~6月中旬)
Fig 5 北茨城の測定値と推定値(直近)
Fig 6 北茨城測定値と推定値(~6月中旬)
Fig 7 高萩測定値と推定値
4/19 18:10 から高萩の測定点が変更された(小山ダム --> 高萩市総合福祉センター)。
前回(4/20)の記事で、高萩の突然の落ち込みが謎であったが、茨城県のデータに高萩の測定点を変更した旨の注意書きがあった。
その後の減り方が違っており、今後の累積値が以前の推定よりも増加すると思われる。 1.2.2 推定値の累積を参照。
Fig 8 高萩測定値と推定値(~6月中旬)
Fig 9 日立の測定値と推定値(直近)
Fig 10 日立測定値と推定値(~6月中旬)

 (*1) 線量推移が指数関数+定数に従うと仮定した単純モデル


線量近似値 = (初期値 - 自然線量率) x EXP(初期値からの時間 * ln2 /T) + B

T: 複数の核種の半減期を十把一絡げにした「みかけの半減期」である。
B: ここ数年の、線量の落ち着き先であり、半減期が長い放射性物質の寄与やどこかからやってくる(放出されている)放射性物質および従来の自然線量の総和の「みかけの自然線量」である。

ここでは、下記の2ケースを計算してみた。
[ケース1] 見かけの半減期をヨウ素131のそれ、みかけの自然線量を従来のそれとした場合
[ケース2] 半減期 と自然線量を変化させ、3月21日以降の実測カーブとフィットさせた場合
ケース2は初期値と見かけの半減期を、カーブのへこみ具合が一致するように短めに選んで固定し、実測値と近似値のグラフがフィットするように見かけの自然線量を動かすことにより、大き目の「みかけの自然線量」を予測しようとしたものである。
これを、近い将来に延長してプロットすることにより、今後の線量の上限が想像できる。


(*2) 放射線量変化モデル 
岡山大の北脇先生による考察を参照。
「放射線量変化モデルによる、積算放射線被曝量の推定と放射線源の推定」
http://www.cc.okayama-u.ac.jp/~kitawaki/Radiation_Model_Sim_4.htm

1.2 累積値 (accumulated value)

1.2.1 測定値の累積

3月14日から4月28日まで約40日の累積線量(*3)は以下の通り。

いわき(合同庁舎): 0.79mSv
北茨城(市役所): 0.62mSv
高萩(小山ダム): 0.58mSv
日立(大沼町): 0.34mSv (4/27まで)

注意:この値は1日24時間屋外屋外で過ごした場合であり、屋内はもっと小さい。

現在の値は、いわきで胃部レントゲン1.4回程度 、北茨城、高萩で胸部レントゲン12回、日立市大沼町で胸部レントゲン10回程度である。

また、玉川温泉岩盤浴と比較すると、高レベル地域と低レベル地域の中間程度の量である。(一日中ずっと岩盤浴をしている人もいないと思うので、この比較もナンセンスといえばそうであるが、一つの目安である)

(*3) 累積値 = ∑{(カレント値 - 自然放射線量)} x サンプリング間隔
ただし、自然放射線量は 0.05 µSvと仮定
 Fig 11 測定値の累積値

1.2.2 推定値の累積

放射線量変化モデルの推定値から今後の累積線量を予測してみた。
それによると、以下の通りであり、そんなに気にしなくていい値になりそうである。
ただし、以下の2点に注意のこと。
注意1:これはあくまでもある前提に基づく理論的な予想であり、今後このとおりになるという保証はない。従って、今後とも測定データのウォッチは必要である。
しかしながら、カレント値の予測と測定値はよく一致しており期待をしている。
注意2:この値は1日24時間屋外屋外で過ごした場合であり、屋内はもっと小さい。

半年後の推定累積値(2011/03/14 - 2011/9/15)
いわき(合同庁舎): 1.4mSv
北茨城(市役所): 1.2mSv
高萩(小山ダム): 0.8mSv
日立(大沼町): 0.9mSv

1年後の推定累積値(2011/03/14 - 2012/3/15)
いわき(合同庁舎): 2.2mSv
北茨城(市役所): 1.9mSv
高萩(小山ダム): 1.1mSv
日立(大沼町): 1.6mSv

尚、これらの推定累積値では高萩の値が低くなっているが、これは測定点の特異性によるものかもしれない。 今まで、高萩の測定点は小山ダムにあり、他の地域と振る舞いが異なっていた(カーブの下がり方が速い、すなわち、半減期が短めに見えていた)。

しかし、4/19 18:10 から高萩市総合福祉センターに変わり、減り方が他の地区と同じようになった感じがする。5月中ごろ、再度推定をやり直す予定。
Fig 12 測定値と推定値の累積値

 
1.3 出典データ

■北茨城、高萩のデータ
茨城県ホーム > 重要事項 > 平成23年東北地方太平洋沖地震
http://www.pref.ibaraki.jp/important/20110311eq/index.html

■日立市大沼町のデータ
茨城県環境放射線監視センター
http://www.houshasen-pref-ibaraki.jp/present/result01.html
http://www.houshasen-pref-ibaraki.jp/earthquake/doserate.html

■いわきのデータ
いわき市内の環境放射能測定値
http://www.city.iwaki.fukushima.jp/
http://www.city.iwaki.fukushima.jp/topics/010570.html

福島県災害対策本部
平成23年東北地方太平洋沖地震による被害状況速報
http://www.pref.fukushima.jp/j/index.htm

2 解説

この情報は茨城県北(北茨城、高萩、日立市)と福島県いわき市のデータをグラフ化したものであり、「1.3 出典データ」に示すデータを元に作成した。
これらのデータをスプレッドシートにまとめたものは「radmonitor311 放射線量モニターデータまとめページ」 から入手できる。
https://sites.google.com/site/radmonitor311/home
https://sites.google.com/site/radmonitor311/dirtop/shared_data
https://spreadsheets0.google.com/ccc?key=tMqgTZcBvskBshCBbFxxe6A&pli=1&authkey=CJT01f0L#gid=1

尚、それぞれの測定点は以下の通りである。

いわき:合同庁舎
北茨城:市役所
高萩:高萩市総合福祉センター (注1)
日立:大沼町

注意1:4/19 18:10 から高萩の測定点が変更された(小山ダム --> 高萩市総合福祉センター)


来歴
(データ更新による内容の更新については、いちいち来歴は記さない)

2011/3/27 タイトル簡素化と、いわきの3/14~15のデータを追加した。 
和文:「茨城県北と福島県いわき市の放射線量の状況」→「茨城県北といわき市の放射線量」
English: "Radiation Monitor data snapshot at north Ibaraki-pref and Iwaki-city Fukushima-pref " --> "Radiation Monitor data at north part of Ibaraki Pref and Iwaki City "
理由:他の記事との整合化とツイッターでの字数節約


2011/3/28 タイトルをもう少し正確にした。

和文:「茨城県北といわき市の放射線量」→「茨城県北といわき市の放射線量率と累積値」
English: "Radiation Monitor data at north part of Ibaraki Pref and Iwaki City " --> "Radiation dose rate and accumulated value at north part of Ibaraki Pref and Iwaki City"

2011/4/7 茨城県北に日立市大沼町のデータを追加した。

2011/4/15 推定値についてのグラフを充実させ、記事も全面更新した。

2011/05/06

茨城県日立市、東海村、ひたちなか市近辺のモニタリングポストを散策しました

今日、ジョイフル本田のひたちなか店に行ったついでに、近辺のモニタリングポストを散策しました。
5月1日に行った大沼局の写真とあわせてアップしておきます。

近くでモニタリングポストを見つけたら「モニタリングポストマップ 」に追加してください。
マップの「編集」ボタンを押すと、地図上の情報が編集できます。
そのときは「現地訪問:yy/mm/dd @twitter_name」も追加してください。

最後に「保存」してください。
  • 水色のピン:茨城県環境放射線監視センターの測定局で現地確認済
    緑色のピン:日本原子力発電株式会社の測定局で現地確認済
  • 他の色:現地未確認
より大きな地図で モニタリングポストマップ を表示

日立市大沼
(日立市立大沼小学校)
大沼局の記事はここ 


日立市久慈
(日立市立久慈中学校)

東海村石神
(東海村立石神小学校)

東海村石神
(東海村立石神小学校)

石神の線量率

東海原発モニタリングポストE

東海原発モニタリングポスト12
ここは測定装置のカバー(筒)の先端の形が違っていた。
他は半球だが、ここは円錐だった。

東海原発モニタリングポストC

テラパーク入り口
東海原発モニタリングポストB

東海保障措置センター入り口の左右に一つづつある。
ここが東海原発のモニタリングポスト(A)と(B)? 
下の写真は向かって左側

東海保障措置センター入り口に向かって右側

東海村村松
(村松虚空尊駐車場)


東海村舟場(舟石川
(東海村立東海南中学校)
ここは日本原子力発電の舟場モニタリングステーションとなっている。
舟石川のモニタリングステーションは別にあるのかもしれない。


ひたちなか市馬渡
(ひたちなか市立勝田第三中学校)

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